クラシック音楽、小田和正、資格試験、医療記事批判などなど幅広い(節操のない)ブログ


by shy1221
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カテゴリ:TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)( 78 )

第1話
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第10話
第11話

<コンセプト>
のりのり 『ちょっとストーリーが変わっちゃうかも知れないけれど、ヒロインに1クール3ヶ月のうちしばらく入院していてもらうなら、SLEになって膠原病内科はどうです?悪魔の薬ステロイドを内服する病気。入院生活はある程度落ち着いた後は基本的には結構ヒマなはず。病院内探検にはもってこいです。結婚話が壊れる可哀想な同室者、学校の留年が心配な高校生同室者など、美人で幸薄い脇役でサブストーリーが作れます。「私はこんなに元気で仕事もできそうなのに、何で入院してなきゃならないのよ」「ステロイドについての説明ってこれだけ!」と正義感あふれるヒロイン。特定疾患の診断書の山をふーっと言って片付けている主人公。外来で「これも特定疾患扱いで処方してよ」とのたまうおば患者。あっ、でも膠原病内科だと、わかりやすい急変がないかな。劇症型のAPSで死んでしまうとかカリニか、HPSじゃ、見ている人にはわかりにくいかな。』 (2007/02/23 15:33)
<注:配役はイメージですので、決して御本人に許可を取ってるわけじゃありません。(当たり前か)>元記事はこちら

<タイトル由来>
# のりのり 『shy1221編集長さま!今日、外来中にひらめきましたわ。安直ですが、「ウィズドロワル」ってどうでしょうか?クラノスケにとってはウィズドロワルはsteroid withdrawal syndrome ですが、withdrawal は一般的には薬物などからの離断をあらわすわけで、マサミ父にとっては、マサミからの急激な別れによって禁断症状がでてしまったということになります。で、英語のフツーの辞書でwithdrawを引くと、軍隊を引き上げるとか、訴訟を取り下げるときに使う表現でもあるようでした。ちょっと安直の感はありますが、いかがかしらん。』 (2007/03/12 20:38)
元記事はこちら
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by shy1221 | 2007-12-20 00:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
第11話 最終回スペシャル
編集部。デスク「“ある産婦人科医の死”反響いいね。オレが言ったとおり、春まで待ってよかっただろ。ハイリスク妊婦を扱う最前線の病院で中堅医師が過労死した。彼の父親は産婦人科の開業医だったが、気力の限界、と産科をやめることにした。彼の弟はそれまで働いていた地方の病院をやめ、都内の病院に移った。弟の後任はなく、その病院は産科を閉鎖した。実話だけれど、象徴的だよ。年齢階層別の産科医数とか分娩取り扱いをやめた施設の数とか、客観的なデータも揃えてある。ヨシノくんの力作だ。ほかでも、後追い企画はじめたみたいだけれど、これ、何か賞いけるぜ」
ヒロイン「でも、最後のフレーズだけは、ちょっとー、なんだけど、デスク」
デスク「彼が勤務していた◎◎総合病院は今、急性薬物中毒で死亡した高校生についての訴訟でゆれている、ってヤツか。医療ミスって書いてないだろ。あの一言を加えたことが、いろいろ大切なんだよ」

クラノスケ外来の診察室。ヒロインの診察が終わるところである。
クラノスケ「あっ、それから、ヨシノさんはよく知ってるとはおもうけど、まあ、あって、ボク、5月いっぱいで大学に戻ることになって、来月から診察医がかわります。○○センセイっていって、ボクの2こ下の学年。ちょっとイイ男だから、期待しててください」と少し寂しそうに言う。
ヒロイン「そうなんだ」
クラノスケ「いろいろ時間とられるから、この病院だとちょっときついし、少し休んだ方がいいって言われて、6月からは、ねずみさんの主治医。昔、大学院のときに研究してたテーマがあって、それの続きやれって」
ヒロイン「あたしの主治医でなくて、ねずみの主治医ね。ねずみ、文句言わないし、可愛いよ」としんみりしてしまう。ヒロイン、はっと思いついたように、バッグから名刺を取り出して、もう、医者と患者じゃなくなるんだから、今度ご飯でも食べようよ、と言い出す。クラノスケの反応はいまひとつである。ヒロインの横でおばさんナースが「何だ、コイツ」という表情をしている。

夜のバー。デスク「第1回口頭弁論まであと3週間か。どこをどう攻めてくるのかな。某巨大掲示板でも、最近はあまり書き込みないみたいだしさ、っていうか、燃料多すぎで次から次へ事件、訴訟だし。クラノスケセンセイ、元気か?」
ヒロイン「うん、会う機会なくなっちゃったからわからない。最後の診察のとき、名刺だして、ちょっとナンパみたいにしたんだけど。電話も来ないし。どこまで、関わっていいかがわからないのよね」

夜の透析クリニック。クラノスケのバイト先のようである。クラノスケは英文の文献を読んでいる。手帳のポケットにはさんであった名刺を取り出して見ている。ふーっとため息をついて、名刺を元に戻す。再び、英文の文献を読み出す。

JJ学院の一室。マサミの父、シスター穂刈、養護教諭、ほかに担任だったと思われる教諭。テーブルの上には紅茶とクッキー。
シスター「今日はお会いできてうれしいです。私の前にマサミさんがいるようです」
養護教諭「わたしはとても心にひっかかっていました。マサミさんは中学の頃から、保健室にはよく来ていました、正直言ってサボリかなって思うこともあったけれど、私は彼女から慕われていたような気がして、私にとっても彼女がやってくることはイヤではありませんでした。去年の夏、足にぶつぶつができた、と言ってやってきました。近くの皮膚科に行ったけれどよくわからないといわれたと言っていたので、学院の近くの◎◎総合を受診したら、といったら、あっという間に入院になってしまって、私もびっくりしました。退院してからは、疲れた、と言っては、ときどきやってきて、私たちはお茶を飲んだり、お菓子を食べたりしてすごしました。中学の頃は、○○看護大に行って保健室の先生になろうかな、なんていっていたけれど、退院してしばらくたってからは、勉強して医学部に進みたい、なんて話してくれました。あの日は、いつものようにやってきて、またサボリかな、なんて思っていました。ベッドで寝ていていいか、とマサミちゃんが言ったので、いいわよ、と答えて私は保健室を離れていたんです。…..」涙声になって続かない。
担任「無口で、自分が考えていることを自分から言い出すようなことがない子でしたけれど、心のやさしい生徒でした。学院は昔はのんびりしたところがあったけれど、今はだんだんと進学成績を気にされる保護者の方が増えてきて、求められるものも増えてしまい、人に勝つ、なんてことを考えるような生徒も増えてきています。プライドが高い女の子同士の世界で何ヶ月か不在の期間があって戻ってくるというのも、大変だったのかもしれませんね」

ひとり暮らしとなってしまったマンションで、缶ビールを飲んでじっと目を閉じるマサミの父(小木茂光)。

編集部。ヒロインに電話。クラノスケからである。新しい実験をはじめたので、医学最前線ということで取材も兼ねて研究室に遊びに来ないか、と。よろこんで、とヒロイン。

大学研究室。白衣をきてぼさぼさの頭をした女(寺島しのぶ)が実験装置をいじっているところへ、ヒロインが登場。「あのー、クラノスケセンセイって……」
白衣女「クラセンセイ、お客さん、美しい女性のお客さん」
クラノスケ登場。診察室で最後に会ったときよりは元気そうである。

研究室を出て、大学病院の地下食堂かどこか。
クラノスケ「その後、調子はいい?」
ヒロイン「うん。順調。あたし、しぶといから、あんまし問題おきないんだよね。クラノスケセンセイは元気だった?ちょっと心配してた」
クラノスケ「見てのとおり、ねずみのお医者さんだよ。さっきのとペアで実験の毎日だよ」
ヒロイン「少し、ヘンなこと訊いていい?病院やめちゃって生活とかどうしてるの?」
クラノスケ「医局長の口ききで、透析クリニックのバイトに行ってるんだ。夜だけ週3回。でもさ、時給で行ったら、病院で働いているときより、ぐっといいから、なんだかね、って感じ」
ヒロイン「クラノスケセンセイ、なんだかこの前より生き生きしてるみたい」
クラノスケ「そう見える?でも、僕、思うんだ。世の中の人って研究はバカバカしいって言うでしょ。試験管振ってるより、患者さんのベッドサイドにって言うでしょ。でもね、試験管を振ったり、ねずみさんのお世話をしたりする人間がいて、新しい病気のメカニズムの発見とか治療法の改良とかが出てくるわけじゃない?今は臨床はちょっとお休みをして、地道に世のためになる仕事だって思ってやってるよ。」
ヒロイン、ふーん、と言ってコーヒーを飲む。クラノスケは、大学の先輩が訴訟を起こされた後にうつ病になって自殺してしまったこと、自分の場合は、大学の医局が気を回してくれて、一休みポジションを与えてくれたので精神的にはなんとか落ち着いていること、などを話す。ヒロインは、“ある産婦人科医の死”が反響をよんでいること、なんだかこの1年弱で医療がおかれている現状について多くのことを学んだわ、と話す。クラノスケは意を決して、次は夜どこかで食事をしよう、とヒロインに言う。

ヒロインのマンション(実は結構散らかっている部屋なのであった)。デスクとヒロイン。
デスク「いよいよ来週だね。某掲示板にちょっと仕込んだよ。“これで有罪だったら、僕もうこわくて仕事できなくなりそうだから、来週は傍聴に行こうかな?”って」
ヒロイン「なにか釣れてきた?」
デスク「それなりに。お弟子の弟子ってのが書いての、ちょっと気に入ったよ。」
某巨大掲示板画面
“女子高生父もそろそろ、勢いで告訴したことをちょっと後悔してきてる頃かもしれません。もしもこれ読んでたら(読んでるわけ内科)、告訴をやめて、お遍路しませんか?僕も、僕を守ってくれなかった(怒)病院との戦いが終わった後、お弟子さんをまねてお遍路2回いきました。あたまの中がすかーっとなって、全ての光景が新鮮で心に刺さりました。朝早くから夜遅くまで病院の中にいると、青空の気持ちよさも、曇り空のゆううつも、雨ふりでがっかりもわかりません。女子高生父も他人の犯罪とか暗いニュースばっかり相手にしていないで、お遍路しましょうよ”
デスク「うちもさりげなく、毎朝新聞の報道姿勢を叩いてきたけれど、毎朝も最近はちょっと困ってるんじゃないかな?叩きすぎてさ、医療は崩壊の一途をたどるようになって、叩かなくても壊れていくから、叩く必要もなくなちゃったしね。マサミちゃんの件だって、告訴してみたのはいいけれど、勝ち目もあやしいようだしね」
ヒロイン「逆にネットでこれだけ叩かれちゃってるの、本人どれだけ知ってるのかしら。マサミちゃんも自分の父親が見ず知らずの人から頭おかしい扱いされてるの、きっとやだと思う」
デスク「クラノスケセンセイはどんな様子だ?こないだ研究室に行ってきたんだろ?」
ヒロイン「まあまあみたい。でも、ひょっとしたらもう臨床の現場には戻ってこないのかもって思った」
デスク、ヒロインのあごを持ち上げて、おまえひょっとしてクラノスケに惚れていないか?と言ってにやっといじわるっぽく笑う。

毎朝新聞社ロビー。スーツをびしっと着こなしたデスク。受付嬢に「約束していたものだが」と。
新聞社の一室。応接セットに座るのは、デスクとマサミ父のみ。女子社員はお茶を出し終わると室外へ。
マサミ父「お互い、こうして顔を合わせるのも久しぶりだ。“ある産婦人科医の死”読んだよ。なかなかの力作だ。うちの社でも話題になったよ。」
デスク「今日は、おせっかいに来た。大いなるおせっかいに来た。ここまで言えばわかるか?」
マサミ父「娘のことか?」
デスク「そうだ。お嬢さんの裁判のことだ。短刀直入に言う。告訴を取り下げろ」
マサミ父「それはたいそうずいぶんなことを」
デスク「裁判は誰のためにもならない。あなたの主張は医学的に見て、必ずしも正しくない。独りよがりで感情的だ。」
マサミ父、無言。
デスク「金なんて要らないんだろう」
マサミ父、無言。
デスク「クラノスケセンセイを追い詰めたいか?もう、追い詰められたよ。病院やめて、大学でねずみの世話係だ」
マサミ父、無言。
デスク「病院の名声を落としたいか?落としたからってどうにもならない。都立がどんどん駄目になっていて、◎◎総合には前にも増して、患者が集中してきている。ほかに行くところがどんどん減っているからね」
マサミ父、無言。
デスク「はっきり言うぞ。あの病院で何があろうとも、マサミちゃんは病気で死んだんだよ。それ以外のなにでもない。病気で天に召されたんだよ。病気のせいだ」
マサミ父、無言。

デスクが去った後。マサミ父はさめたお茶をすすり、頭を抱える。
机に向かい、ノートパソコンを開くマサミ父。某巨大掲示板の お弟子の弟子 の書き込みをじっと見ている。
マサミ父は目を閉じる。
(第11話 完)

<タイトルバック>

<エピローグ>
秋。 JJ学院チャペル。多くの友人たちに囲まれて、出てくる新郎新婦。クラノスケとヒロインである。人ごみから少し外れて、礼服を着たデスクがまぶしそうに新婦を見ている。デスクから少し離れて、やはり礼服を着たマサミの父。遠い目をしている。なぜかマサミ父の横にはさりげなく寺島しのぶがいてにこにこしている。

冬の朝、JJ学院校門。入学試験日のようである。デスクとデスクの妻、6年生らしい女の子。女の子の肩に手をやるデスク。「きょうは、実力をだして、がんばってきなさい」
女の子は、うん、といって駆け出していく。
女の子を見送ったデスク「ヘンな先輩みたいにならないようにね」とおおきく背伸びをしながら独り言。妻、えっという顔をする。デスク、ごまかす。
(完)
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by shy1221 | 2007-03-09 11:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
第10話
県立病院の分娩室。赤ちゃんの誕生。ヒトリの満面の笑み。母親が涙ぐむ。助産師も涙ぐんでいる。
県立病院の医局研究室、ヒトリが溜まっていたらしいサマリーを書いている。荷物をまとめている途中らしく、すでに梱包されたラクテックか何かのダンボール箱が積み上げられている。まだ、荷物はたくさん残っている。
料理屋の2階。病棟の送別会のようである。
看護師長の挨拶。「皆さんも残念なことと思いますが、安全な医療を目指すという大学の方針と、将来的な県立病院の統廃合を視野においた県の方針で、先週の ○○さんのお産を最後に、もうこの病棟ではお産はとらないことになりました。ヒトリ先生が診ていた妊婦さんたちは県立A病院に移っていただくことになり、ヒトリ先生もお忙しかったのですが、なんとか、紹介状も全部だしました。ヒトリ先生はこの病院を辞められて、4月からは、ご実家の近くの○○大学病院で働かれます。○○さん、○○さんは県立A病院へ、○○さんは県立B病院へ助産師として移られます。○○さんは、新しいチャレンジということで、神奈川県の大学病院に移られます。○○さんは、これを機会にご家庭にはいられます。あと、何人かは助産婦が残りますが、一般の看護婦として引き続き病棟勤務をしますが、助産業務からは離れることになります。」師長は泣いてしまい、言葉が続かない。
病棟のメンバーもヒトリも泣いている。
病院の官舎。クロネコヤマトのトラックが止まっている。トラックを見送ったあと、RV車に乗り込むヒトリは珍しくスーツを着ている。私服の病棟メンバーらしい女が数人、ヒトリが運転するRVにさよならと手を振る。

海沿いの国道を走るヒトリのRV。とても気持ちの良い春の陽気である。
大学の医局。教授に挨拶をするヒトリ。元気でな、と何人かの医局員。
高速道路を走るヒトリのRV。ヒトリはびっくりするほど精悍な顔をしている。

クラノスケ外来。診察室に呼ばれるヒロイン。
ヒロイン「ずいぶん異動があるのね」
クラノスケ「まあね、あと、6月にも異動の科があるよ。常勤にしてもらっている科は結構6月異動だよ」
ヒロイン「ボーナスが出るから?」
クラノスケ「そう、ボーナスが出るから」
ヒロイン「クラノスケ先生は異動はまだよね?」
クラノスケ「うん、ボクは今年の9月異動だと思う。ボク、正規じゃないからボーナスないし。ヨシノさんとはあと半年のお付き合いの予定かな?この1ヶ月、変わりはないですかね?」
ヒロイン「変わりありません」
クラノスケ「白血球数もいいし、補体価もいいし、順調ですね」
ヒロイン「優等生ですから」
クラノスケ「じゃあ、今日はレントゲンとっていって、次は4週間後が連休にかかるので3週で来てね。今日と同じで診察前採血ね。で、薬は、………」

院長室。病院上層部が集まっている。ササノもいる。
院長の話。例の高校生の父親が、当院と主治医、すなわち、ササノ先生、クラノスケ先生を提訴してきた。ステロイド投与に伴ううつ状態を放置していたこと、カテーテル操作のあやまり、ということであるが異常死体の届出義務違反についても説明が欲しいと言ってきている。これは、ひょっとしたら、刑事も視野に入れられている、ということになるのかもしれない。父親は毎朝新聞のけっこうおえらいさんなので、頭が痛い。病院としては、一丸となって、ササノ先生、クラノスケ先生を守る方針である。

編集部。デスク「毎朝が出したよ」“カテーテルミスで◎◎総合病院と主治医2人を訴え”と見出しのある記事が載った新聞(記事は民事についてのみ)。「あの親父さん、ついにやっちゃったね。会社員51歳の長女なんて、毎朝新聞社の社員の長女だろうが。主治医って、ヨシノくんの主治医のことか?」
ヒロイン「そういうことになるわね」ヒロイン、しばし考えこむ。

ヒロインのマンション。ヒロインとデスクはワインを飲んでいる。
デスク「ヨシノからみて、主治医ってどうよ。悪いやつか?」
ヒロイン「ううん。働き者の小市民。損も徳もなく、山のような外来をこなして、病棟の患者の面倒をみて、透析当番の日は夜の11時まで必ず病院にいる。本当にミスだったとしても、故意にやったことじゃないはず。どう、考えても。それに、言いたくないことだけと、クラノスケセンセイは、しつこくしつこく、ステロイドを飲み始めたら、急にやめると死ぬこともあるって言ってた。どうやら、マサミちゃんはその約束を破ったわけでしょ。マサミちゃんのほうから、クラノスケセンセイを裏切っている部分もある」
デスク「ステロイドってそんなにウツになるもん?」
ヒロイン「クラノスケセンセイの言葉を借りると、文献的には一定の確率で、」と言って無言になる。
デスク「先週の毎朝の家庭欄で、“ステロイドとウツ”っていう記事があったんだ。もちろん、親父さんが書いたわけじゃないが、気になるな。今から思うと、ステロイドを内服中の患者が自殺したら、処方した医者の責任、なんてするために張った伏線かもしれないぜ」
ヒロイン、無言。
デスク「ほら、助産師がエコーしてる写真と一緒。毎朝新聞に書いてあることは、一般大衆にとっては教科書と同じで正しいことだ。真実に見える。でも本当か?違うだろ、お前の頭の中にあることを真実にするために書いてるだけじゃないか」
ヒロイン、無言。
会話が続かない。デスク「帰るわ」と帰っていく。

デスクが帰った後、ネットでサイトめぐりをするヒロイン。すでに1回見たページを見返しているようである。
某巨大掲示板の画面。
“◎◎総合病院カテーテル事件の真実って知ってる?”
“女子高生はJJ学院、かなりカワイイってJJOGのうちのねーちゃん。オヤジは毎朝新聞だって、サイアク。オヤジが権力つかって無理やり記事にしたと思われ。その証拠に毎朝新聞以外に記事なし”
“女子高生は自殺らしい。Churg-Strauss でテオドール飲んでた。再発を苦にして、テオドール一気か。テオドールでも死ねるんだってオモタ。女子高生も主治医もカワイソ。テオフィリン中毒なら痙攣しててもおかしくないから、ブラッドアクセスも難しいかも”
“ステロイド内服を中断していたらしい、ってわざとか?”
“某学会の東京中央部会で3月に発表されてる。発表、リアルタイムで聞きました。経過は迫力ありすぎでした。以下抄録コピー。……………..”
“◎◎総合、お祓い必要。去年、37歳の産婦人科医が癒着胎盤のオペ完遂後、SAHで死んでる。あの病院最近急がし杉。都立とかが駄目になったしわ寄せがきてる。産婦人科、帝切率40%越え目前との内部情報あり”
“抄録みても、ヘンな治療してるとは思えない。カテーテルの誤刺ではなく、出血傾向では?”
“もし、カテーテルミスがなかったとしても、助かっていたのか?女子高生。◎◎総合でなければ、透析までたどり着かなかったかも”
“世の中、毎朝新聞が真実だと思っているしあわせな人々大すぎ。個人的な恨みで記事書かれたらたまらん”
ふーっと息をつくヒロイン。

夜のバー、ヒロインとデスク。
ヒロイン「まるで、マサミちゃんがクラノスケ先生のせいで死んだ、と思ってるのよね、お父さん。でもね、あたし、マサミちゃんのお父さんの気持ちもわかる気もするの。だって、奥さんには、マサミちゃんの出産のときに出血多量で死なれてしまって、その後、再婚もしないでマサミちゃんを育ててきたのよ。マサミちゃんのお母さんは27歳だったんだって。マサミちゃんは女のあたしから見てもめちゃくちゃかわいかった。マサミちゃんはだんだんお母さんに似てきていたのかもしれない。マサミちゃんのお母さんは27歳から年をとっていないんだし」
デスク「そうだな」
ヒロイン「スミレちゃん(デスクの娘の名前らしい)がある日突然、心の準備がないときに病院で死んじゃったら、どんな気分になる?」
デスク「ヨシノには悪いけど、スミレはオレの命だから、たぶん死にたい気分になる。やっぱり医者をぶん殴るかもしれない、スミレを返せって。多くの場合、ぶん殴らなきゃならない相手は病気であり、運命であったりするんだけとね。」
ヒロイン、ちょっとさめた表情で「スミレちゃんとあたし、どっちがかわいい?」
デスク「そりゃ、スミレがかわいい」

JJ学院の一室。シスター穂刈とヒロイン。
シスター「あなたのことは良く覚えているわ。道に箱が落ちていたら、足を止めて箱を手に取り蓋を開ける。でも中身はとんでもないもので卒倒してしまう。でも次の日も、道に箱が落ちていたら、足を止め箱を手に取り、を繰り返す、そんな生徒でしたね」
ヒロイン「今日は、誰に相談したらよいのかわからなくて、でも、私の考え方の基本はここにあると思ってきました」
シスター「話してください」
ヒロイン、話を始める。入院先の病院でマサミと出会ったこと、だんだんマサミと打ち解けてきたこと、マサミがレイプ被害にあったこと、このことはマサミの父親には話していないこと、その後のマサミはヒロインの目から見たら比較的元気に見えたこと、マサミがおそらく自殺したであろうこと、マサミの死についてマサミの父が民事訴訟をおこしたこと、クラノスケはごく普通の真面目な医者であること、などなど。シスターは傾聴している。
ひととおり話を聞いた後、シスターは言った。マサミさんの不幸な事件については、あなたの心の中にしまっておきなさい。マサミさんのお父さんをこれ以上苦しめることはありません。マサミさんは自分の尊厳を奪われて、自分に刃を向けたのでしょう。マサミさんのお父さんは、一番大切なものを失って、その絶望と恐怖から、目を閉じたまま刃を振り回しているのかもしれません。あなたがお話してくれたように、マサミさんを失ったことを受け容れられずに一人で苦しんでいるのだと思います。私たちにできることは何でしょうね。私は6月の学園祭にお父さんをお招きして、マサミさんの日常について思い出を話し、一緒に祈ろうと思います。

夜のイタリアンレストラン(いつかヒロインとマサミがランチを食べた店である)。ヒロインとデスクが食事をしている。ワインが開けられている。
デスク「マサミちゃんのパパを救え、か。重いな」
ヒロインは無言のまま、メインの料理を食べている。

ホテルの一室。ヒロインとデスクはベッドの中にいる。
デスク「やってみるか?“大好きなクラノスケセンセイを救いたかったら、まずはマサミちゃんのパパを救え”か?」
ヒロインはデスクの胸に顔を埋める。

病棟でクラノスケは電子カルテに入力をしている。
時計に目をやり、病棟を出て、管理棟の小会議室に行く。
副院長と弁護士らしい男、プリントアウトしたカルテらしい書類を広げて、あれこれ。

朝、クラノスケのアパート。クラノスケ、目を覚ます。枕元の目覚まし時計に手をやる(目覚ましが鳴っているわけではない)。まだ、5時半である。布団をかぶり、目を閉じるクラノスケ。

病院の医局で、エクセルシオールカフェかどこかで買ってきたようなサンドイッチを食べているクラノスケ。歯を磨き、時計に目をやる。8時15分である。聴診器を首にかけ、文献をわきにかかえて、医局を出て行くクラノスケ。
(最終回に続く)
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by shy1221 | 2007-03-06 10:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
クラノスケ、ササノ、ICU専任ドクター、マサミの父。
ナースステーションでマサミの父に経過説明をしている。ササノがクラノスケのわき腹をつつく。クラノスケ「ボクはマサミさんの経過に納得しきれていない部分もあります。マサミさんの病気は若い女性としては結構珍しいです。今後の同じような病気や同じような病態の患者さんのためにも、マサミさんの病理解剖をお願いできないでしょうか」マサミの父、わかりました、とうなずく。

病理解剖室。ガウンを着ているのは病理医とクラノスケ、ササノの3人。少し黄色みをおびて硬く光るマサミの肌。

透析室で、電子カルテの画面に向かっているクラノスケ。ピッチが鳴る。「センセイ、そろそろお見送りです」
霊安室のドアが開き、葬儀社の社員が入ってくる。マサミの遺体が葬儀社の車に載せられる。マサミの父「本当にありがとうございました」
葬儀社の車が走り出す。車が角を曲がるまで、クラノスケ、ICUの医師、マサミが入院していた内科病棟の看護師長、ICUのナースが深々と頭を下げている。
一同解散。看護師長は涙をためている。クラノスケの目にも涙が浮かんでいる。「なんやかんや言いながら、センセイ、マサミちゃんのこと、いつも気にしていたもんね」

編集部。デスク「“検証 妊婦はなぜ18病院から断られたのか”は反響すごいね。だまっていてもヨシノくんの読者が情報を提供してくれるよ。あちらさんの記事の主張をひとつひとつ論理的につぶしていく、快感だね」
ヒロイン「でも、そろそろ私も重くなってきた。“ある産科医の死”、そろそろ書かせてよ。うーん、テルユキセンセイが死んだ日のこと、その前の日の手術の前の様子のこと、某巨大掲示板に誰かが詳細に書きこんでいたのは、すごいショックだった。これ書いていったん終わりにして、じゃあ次は財務省シリーズとかすればいいじゃない。なんだかつらくて」
デスク「そーお?僕としてはさ、もう少しがんばってもらって、3月になら許可かな。3月にぶつけよう。この春には全国の産科・小児科がどんどん終わりになるようじゃないか。産科医も死んだし、産科医療も死んだ。願わくは花の下にて春死なん その如月の望月の頃、と」
ヒロイン「デスク、勝手なんだから」とため息。
ヒロインの携帯が鳴る。ヒロイン、廊下に出る。マサミが亡くなった。マサミは少しかたくななところがあって友達が少なくて心配していた。マサミはヨシノさんをとても慕っていたようだ。お通夜が明日で葬式が明後日。身内だけで行うけれど、来ていただけないか、とマサミの父の声。

お通夜。何人かの制服姿の女子高校生。シスター穂刈。そしてヒロイン。
テルユキのお通夜とは対照的なささやかなお通夜。ちょっと迷ったけれど、お通夜ふるまいの席には出ずにそっと帰ってくるヒロイン。

産科病棟。クラノスケが回診をしている。
クラノスケ外来の前。今日も診察は遅れているようだ。やっとヒロインが呼ばれた。
ヒロイン「マサミちゃん、どうして亡くなったの」とクラノスケを少し責める口調
クラノスケ「守秘義務」
ヒロイン「マサミちゃん、クラノスケ先生のようなお医者になりたい、勉強して群馬大学に入るって言ってたのよ。キミコさんも死んじゃう。テルユキ先生も死んじゃう。マサミちゃんも死んじゃう。あたし、気が狂いそうだわ」
クラノスケ、無言で電子カルテ画面をみている。

ヒロイン、マサミと一緒に移っている携帯の写真を見ている。マサミちゃん、わたしはどうしてあげればよかったの?あのあと、私には助けを求めてくれなかったじゃない。どうして、いっちゃったの?ヒロインは泣く。

医局。産婦人科部長とササノがコーヒーを飲みながら話をしている。
部長「テルユキくんの親父さんがすっかり気落ちしていてね、もうお産をやめることになった。こんなご時勢だし、もともと後を継がせる気はなくて廃業の準備は内々にはじめていたんだが。助産婦もパートをいれて4人だったし、H病院の件もあったし、予定より早くやめることになった。5月末までは自分のところで分娩を扱うけど、それより先は僕のところと○○センセイのところ、××病院で面倒みることになった。テルユキくんの親父さんのところは基本的にローリスクだけだったけど、それでもあの年で年に180例みてらしたから、結構痛いよ。」
ササノ「弟さんも後を継がないのか」
部長「ヒトリくんも県立病院の1人医長でそれはひどい生活をしているらしくて、これを機会に春にこっちに戻ってとりあえず大学(の医局に)にきたらどうか、と親父さんは考えてるらしい。まあ、ヒトリくんが抜けたりすれば、あっちの大学には痛手だろうけどね。ヒトリくんの大学は今年は入局者が2人だったそうで、週末の代診も月1回なのだそうだ。ひどい話だ。ウチの上のも、ヒトリくんの大学の5年だろ、卒業したらさっさと帰ってこいってきつく言ってあるよ」
そこへ副院長が入ってくる。「ササノ先生、あとでちょっと」

院長室。院長のほか副院長、看護部長、事務長らしき面々。
「きみのところで亡くなった高校生の親が○○法律事務所を通じて、カルテ保全の申し立てをした」
ササノ、無言。
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by shy1221 | 2007-03-04 09:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
第8話
ヒロインの同室者に入れ替わりがあり、ヒロインと同じSLEの若い女、32歳の子宮外妊娠術後の3人となっている。珍しく1ベッド空いている。32歳術後は、妊婦と同室でなくてほっとした、と話した。術後患者が自分語りをする。結婚したけど、なかなか妊娠しなかったので、不妊治療を始めた。この病院は妊娠率は必ずしも高くないが、双子、三つ子をなるべくつくらないようにしていると知人のナースからきいたこと、不妊治療から出産までおなじ病院に通院できること、もし早産になってもNICUがあること、から費用は高いし、待ち時間は長いし、ナースはつっけんどんだし、医者は冷たいことばかり言う、というママ評判を振り切って、子供のためにこの病院を選んだ。治療をはじめてもなかなか妊娠しなくて、半年ほど治療を休んだら自然妊娠した。計算すると、韓国に遊びに行ったときにできたみたいなので、10万円かからずに妊娠できたことになる。これまでにかかった多大な金額に比べると笑っちゃう。なのに、子宮外妊娠で胎児は死んでしまった。手術室から帰ってきた後、カンゴフさんとても優しかった、体力つけて、またがんばるわ、とちょっと寂しそうに笑う。SLEの若い女は、流産がきっかけで膠原病が発見されたことを話した。ヒロインは「あたしにはそれ以前に妊娠させてくれるひとがいるのかしら」とひとり毒づく。妊婦と同室のときよりもヒロインはリラックスできている。
クラノスケが病室に入ってくる。「ヨシノさん、いよいよ明日で卒業ですね。昔だったらもう少し減量するまで病院にいてもらってたんだけど。やっと30ミリですから、映画館とかまだ駄目ですからね。あとで、ナースルームで説明します」
ナースルームでクラノスケとヒロイン。退院時指導計画書その他の書類にサインするヒロイン。プレドニンを飲んでいる間は副腎がホルモンを作らなくなっているのでプレドニンを続けて何日か飲み忘れると急性副腎不全になって死ぬことがある。紫外線は駄目だ。お酒は駄目だ。人ごみの中に出てはいけない。誰かの結核がうつるかもしれない。息切れがしたらカリニ肺炎かもしれない。カリニ肺炎になったら結構な確率で死ぬことがある。帯状疱疹にかかり易くなっているので気をつけろ。プレドニンを飲んでいる人の帯状疱疹は痛くないから発見が遅れて重症になる。まだ絶対に妊娠してはいけない、などなど。ヒロインははいはいはいはい、と返事をする。本当は、免疫力が落ちているから、もう少し入院している方がいい。でも、いま病院のベッドが足りなくて、入院待ちも結構出ているので、自己管理ができそうな人は、結構多い量で退院してもらっている。おまけに、平均在院日数っていって、こういう総合病院では平均2週間で退院させないといけないきまりになっている。病院によっては35mgで退院させるところもあるけど、ここはもう少し長く入院してもらっている。ヨシノさんのことは信用しているから、30mgで退院にする。信用していなければ、20mgくらいまで入院を継続している。信用しているから、自己管理をちゃんとしてね。とクラノスケの説明はくどい。

退院日。ヒロインを迎えにくる人はいない。1人でキャリーケースを転がして退院していく。
ヒロインのマンション。冷蔵庫を開けるが、何も入っていない。

JJ学院の近くのスタバかなにか。ヒロインが待っているところにマサミ。お茶を飲んだらランチを食べに行こう、今日はおごりだからご馳走を食べよう、とヒロイン。
イタリアンレストラン。女同士とカップルが半々くらい。
年の差があるカップルがヒロインとマサミの横を通り奥へ入っていった。「あのふたり、不倫っぽい」と小声でマサミ。ヒロインはちょっとドキっとするが「もと不倫でいまは夫婦かも」と言ってにやっと笑う。マサミも笑う。ヒロインは「クラノスケには内緒だよ」とグラスシャンパンを頼んだ。マサミ「ヨシノさん、いいの?」と笑う。「今日だけ。だって、2ヶ月禁酒してたのよ。今日だけ。自分へのご褒美」
パスタを食べながら、マサミ「私、1年くらい浪人してもいいから、医学部に行こうかなって最近考えてる」
ヒロイン「えっ、それ大変じゃない?ウチの学校、理科系駄目じゃないの?」
マサミ「最近はそうでもないよ。毎年10人以上は医学部行ってるよ。国立だって、群馬とか信州とか福島とかだったら、毎年何人か行ってるよ。去年は宮崎まで行った人がいるよ。クラノスケ先生、群馬大学だよね。あたしも、そういうのもいいかなって」
ヒロイン「東京はなれて、群馬とか田舎の大学に行くの?」
マサミ「6年間の合宿免許だと思えばいいんだよ。それにね、考えたの。私もいつかパパから離れていくときが来る。そのときにショックを与えないように、合法的にパパから離れる方法。私の頭じゃ東大や慶応の医学部なんてムリ。女子医大の指定校推薦があるけど、パパのお給料じゃムリ。それ以前に条件がムリ。パパが粘り強く学校と交渉してレポートで出席に替えさせてぎりぎり進級ラインなんだもの。でもね、今からがんばれば、どこか地方の国立大学だったら、何とかなるかも。だから、高校を卒業したら、どこか地方の大学に入って、家を離れてみようと思うの。私が絶対に医学部に行きたいって言えば、パパは駄目って言わないと思うの。東京にいる限り私が入れる医学部はないわけだし。6年たったら帰ってくるから、って言うの。6年の間にパパは私のいない生活を少しずつはじめるの。」
マサミ、デザートをおいしそうに食べる。
ヒロイン、マサミの表情をみて、少しほっとしている。人がよさそうなヒトリの姿が、一瞬ヒロインの脳裏をよぎる。

病院の外来。制服姿のマサミがクラノスケ外来の窓口にやってくる。
待合のいすに座り、文庫本を取り出して読んでいる。ときどき腕時計を見る。予約時間より遅れているようだ。神経質そうな患者が窓口の事務員にどのくらい遅れているのか、あとどのくらい待てばいいのか、と詰め寄っている。事務員は「クラノスケ先生は診察がていねいだから、どうしても時間より遅れちゃうんですよ、すみませんね」と口先だけであやまる。
マサミが呼ばれる。
2週間前のデータがちょっと気になる、とクラノスケ。これから血液検査にいって1時間くらいで結果が出たら診察にしたいけど、時間あるかなあ、と。マサミ、うなずく。
中央検査室で採血されるマサミ。尿検査のカップを窓口に差し出すマサミ。
ふたたび、クラノスケ外来の前の待合のいすに座り、文庫本を読んでいるマサミ。
ちょっと活動性があるようなので、今週中にお父さんと来てもらえないか、とクラノスケ。
マサミ、わかりました。と診察室を出て行く。表情に乏しい。
衣類かごの中にマサミが忘れていった文庫本がある。クラノスケは文庫本の忘れ物に気づかない。

医局のクラノスケの机。きれいに整理整頓されている。マサミが忘れていった文庫本が置かれている。書店のカバーがかかっていて、何の本であるのかはわからない。

雑誌編集部。ヒロインが職場に復帰している。
デスク「“ある産婦人科医のユウウツ、”評判いいよ。結構医者が感想や意見をメールしてくる。共感できるって。現場のナマの声が集まってきてるから、ほかの特集でもいろいろ使えるぞ。最近、毎朝が医者叩きキャンペーンやってるって、医者からの評判がめちゃめちゃ悪いけど、アッパーなサラリーマンや官僚からも結構嫌われている。彼らは無知な大衆とちがって身近に医者がいたりする。海外生活を経験したことのある人々は、日本の医療制度がどんなに良いものかを身をもって感じている。そういう読者を取り込むには、チャンスだよ。医者叩きをしても、ついてくるのは、み*も**のテレビしか見ていない、ケイタイしかもっていない人々だけだ。お金を出して雑誌を買おうなんて思わない人々だけだ。お金を出して情報を買おうとする層を相手にしなければ、これからの活字メディアは生き残れない」と演説。

夜、パジャマ姿のマサミ、自室のベッドの中で声を立てずに泣いている。
マサミ、授業中の教室。板所をノートに取っているが、時々考え込んでいる。

夜、パジャマ姿のマサミ、自室のベッドの中で、すすり泣いている。
翌日、登校するが、教室の入り口で、ちょっと考え込み、教室に入るのをやめる。
「センセイ、ちょっと頭が痛くて、保健室で寝ていていいですか?」
やさしそうな養護教諭。病気なんだから、無理しちゃいけないわよ、とベッドのほうを指差す。マサミ、保健室のベッドの中にいる。

夜、パジャマ姿のマサミ、自室のベッドの中ですすり泣いている。泣くのをやめてベッドに座り、かばんから携帯を出す。通話記録を消している。机の引き出しを順に開けて、中を確認している。机の引き出しから鏡を出し、机の上に置く。鏡に向かってにっこり笑う。

マサミ、保健室のドアを開ける。「センセイ、今日もいいですか?」
養護教諭が机に向かい、何か書きものをしている。
「マサミちゃん、センセイ、ちょっと図書室に行って来るね」
マサミは布団をすっぽりかぶって寝ている。

養護教諭が戻ってきた。マサミちゃん、お昼どうするの?とマサミのベッドのほうへ向かう。マサミは胃液のようなものを繰り返し吐いている。意識状態がおかしい。
救急車のサイレン。

救急外来。ER着を着た医師、ナースが行きかう。
呼ばれてやってきたらしいクラノスケ。
電子カルテ用のパソコンの前にいるER着の医師。ものすごい勢いで画面のスクロール中。
「ねえ、なにかヘンな薬のんでないよね」とER着の医師。「いま、原疾患がどんな状態か、プレゼンして。電カルになってから、わかりづらくて困るよ」
「うーんとね、」とクラノスケのプレゼン。
クラノスケ「几帳面な子だから、まさかとは思うけど、ウィズドロワルの可能性は?」
ER着の医師「なに、それ?」
クラノスケ「あ、ステロイドずーっと飲んでてやめちゃって副腎不全になるやつ」
ER着の医師「考えてもいいね。あと薬なにかない?」
クラノスケ「向精神薬とかその類は別に処方してない」
別の救急患者が搬送されてくる。救急外来は喧騒に包まれている。
クラノスケ「あっ、喘息ってことで、うちに来る前にテオドール飲んでた時期がある」
マサミを乗せたストレッチャーがICUに入っていく。
マサミにはたくさんのシリンジポンプがつながっている。

「たぶん、メインの病態は、テオドール大量とステロイドの中断でも説明がつく。そして原疾の再燃かもしれないが、これは僕たちにはわからない」とICU専任医師。電子カルテに映し出される頭部CT。
クラノスケとササノが電子カルテの画面を見ている。
マサミ、血液透析をしているようだ。
クラノスケ、慣れた手つきで機械の調節をしている。

医局でクラノスケがカップヌードルを食べている。
医局で自分のノートパソコンでPubMedの検索をしているクラノスケ。
医局のソファで横になるクラノスケ。眠っている。
朝、医局の洗面台で歯を磨いているクラノスケ。寝癖がついている。
クラノスケのピッチが鳴る。

ICUでマサミがICU専任医師から心臓マッサージを受けている。
心マの手をやめると波形が出なくなる。
ベッドサイドにはマサミの父がいる。取り乱している。
(第9話に続く)
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by shy1221 | 2007-03-04 08:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
テルユキ、家族と食卓にいる。美しい妻、3歳になる娘、ベビーベッドに赤ちゃん。
テルユキ、風呂に入っている。至福の表情。
テルユキ、娘の寝顔を見る。

個室にいる妊婦。サラリーマン風の夫、双方の両親、3歳くらいの男の子。
ナースがあと15分で入室です、と告げに来る。

手術室。麻酔科医が妊婦に腰麻をしている。手術室の看護師長がやってくる。
体位がとられている。
執刀医はテルユキ。ほかに部長と研修医。
「お願いします」テルユキの言葉で手術がはじまる。

ベビー誕生。新しい母親にベビーを見せるテルユキ。至福の表情である。ベビーはすぐに小児科医に託される。
術野を確認しながら、テルユキと部長が無言でうなずく。
「○○さん、やっぱりがっちり癒着していて子宮はとらないと駄目みたいです。自己血のほかにたぶん日赤血も入ります。」テルユキ。子宮摘出がはじまる。
手術風景。テルユキはいつもからは想像もつかない真剣な表情。部長が前立ちである。
「カウント、込みで2500です」間接介助ナースの言葉が響く。
「全麻に移行でいいですか?」と麻酔科医。
「はい、お願いします」テルユキ。
「カウント、込みで4500です」
「カウント、込みで5000です」
麻酔科医が輸血を追加している。
「MAPこれで10単位です」と麻酔科医。
「閉じます」テルユキ。

今日は病棟ではなく、ICUへ入室する患者。
患者を取り囲む家族。
夫に術後の説明をするテルユキ。子宮は摘出した。児娩出後全身麻酔に移行した。出血が多く輸血が必要であったが、おおむね予定どおりの手術であった。今日は一晩ICUにいてもらい、明日産科病棟に帰る予定である。テルユキの院内ピッチが鳴る。家族にちょっと失礼、といいピッチに出るテルユキ。ピッチの向こうで「5時から、外妊32歳、入ったから、入って」とか何とか言っている。
夫が再び妻のベッドサイドにいったあと、ICUのナースたちに向かって親指をたて、イエイというポーズをするテルユキ。再びテルユキのピッチが鳴る。「△△から肩出てる35週の電話があったから、さっきのは今やってるカイザーの下に入れるから、35週救外で受けて」

ブルーの手術下着の上に白衣をはおったまま、産科病棟で電子カルテに入力をしているテルユキ。後頭部に手をやる。
談話室の自販機でミネラルウォーターを買うテルユキ。そのまま倒れこむ。
見舞い客が悲鳴を上げる。
「ハリー先生、ハリー先生、産科病棟でお呼びです」

手術室。剃毛されたテルユキはすでに挿管されている。
よいしょ、と麻酔科医の掛け声で脳外科医、オペナースが体位をとる。
手洗いをしている脳外科ドクター。「負け戦だな」

どこか田舎の病院ののどかな医局の朝。医局の研究室の乱雑な部屋。昔ながらの厚地の緑の手術下着の上に白衣をはおり、はだしに健康サンダルを履いた若い医者が電話をしている。テルユキの弟(劇団ひとり)のようだ。ヒトリ「すみません。ありがとうございます」
電話の声「十分な休みをあげられなくて悪いけど、昼過ぎまでには○○をよこすから。親孝行してきなさい」
ヒトリは医局のラウンジで牛乳と山崎パンの朝食を済ませると、病棟に向かった。すれ違うナースが「センセイ、おはようございます」ヒトリ「おはようございます」
ナースルームでは朝の申し送り中であった。ヒトリ、看護師長に「ちょっと」と声をかける。「兄貴、やっぱりダメだったみたいで、午後の新幹線で実家に帰ります。月曜の朝には帰ってきます。予定どおり大学から来るので、午前の外来が終わったくらいでいれかわります。すみません」
「あ、みなさん、ヒトリ先生がご実家でご不幸があったので、今日から月曜朝までいなくなります。代診の先生がきてくださるけど、いろいろケアしてあげてください」
ヒトリ、病室の妊婦たちのもとへ向かう。
「実家でちょっとあって、月曜日までいなくなります。○○センセイって僕の先輩が来るので、ひょっとしたら○○センセイにとりあげてもらうことになるかもしれないので、よろしくね」
ヒトリ、入院カルテを積み上げて、猛烈な勢いで書きこんでいる。「○○先生へ。GBS陽性ですがペニシリンが駄目です。夫の立会いを希望しています」「○○先生へ。今日でCS4日目です。10日目退院と話してあります」「○○先生へ。.........」
ヒトリ、外来で患者の老婆と話している。外来ナース「センセイ、病棟からそろそろだそうです」
外来ナース、受付にシーラーがかけられた掲示を出す。「分娩のため、外来を一時休止します」

ヒトリ、新幹線が動き出したので、はっと目を覚ます。大宮駅を発車したところのようだ。

◎◎総合病院。産科病棟の手術予定が書かれたホワイトボードの前で産婦人科部長と病棟看護師長があれこれ言っている。どうしても明日の手術の術者のやりくりがつかない。あさってもいくつかの手術の予定の変更が必要なようだ。
産婦人科部長、大学医局に電話しているようだ。電話の向こうでウチもきびしい、と。

メモリアルホール。会場に集まる人人人。
会場正面、菊の花にかこまれてにこやかに笑うテルユキの写真。
遺族席には美しい妻、幼い娘、テルユキの両親と祖母に抱かれた赤ちゃん、テルユキの弟(ヒトリ)と妹。
ヒロイン、遺族席に一礼する。クラノスケほか、病院のメンバーも多数。次々と焼香。
幼い娘ははしゃいで参列者席のほうへ行こうとする。美しい妻は娘を捕まえて、ひざの上に乗せる。参列者がすすり泣く。
僧侶の法話が始まる。あまり内容がない話が延々と続く。ヒトリ、居眠りをしている。

会場を出たあとファミレスでヒロインを待っていたデスク。
デスク「これって過労死?書ける?」
ヒロイン「なまなましくて、書けない」
会話が続かない。

電話でマサミと話しているヒロイン。今日の給食のメニューがどうだったとか、今日のクラノスケネタとか、他愛もない話。
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by shy1221 | 2007-03-01 07:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
放心した表情で辺りを見回すマサミ。誰もいないようだ。自宅マンションへ着くマサミ。鍵を開けて中に入る。小さな仏壇の前にいるマサミ。
無言のままシャワーを浴びるマサミ。

消灯後、ナースがヒロインのベッドへやってくる。
「おうちから、緊急の連絡とか」
ヒロイン、あせった表情でナースルームへ。
電話の声はマサミだった。「ヨシノちゃん、あたしやられちゃった。来て。怖い。」
「しっかりして、マサミちゃん。住所言って、すぐ行くから」
「妹が交通事故にあったみたいです。今日一晩、外出していいですか?」とヒロインはナースに言う。「センセイに許可貰わないと」ナースはクラノスケのケイタイを呼び出す。
ヒロインは外泊許可書を記入し、病院を飛び出していく。

ヒロイン、銀行の24時間コーナーでお金を少々おろした。

ヒロイン、マサミの家にいる。
「ヨシノさん、私、何か悪いことしたかなあ。おばあちゃんが死んだ後、家のこともちゃんとしてるし、勉強だってちゃんとやってる。なんで私が病気になってプレドニン飲まなきゃならないの?一生飲まなきゃならないかもってクラノスケ先生が言ってた。一生かもって。3日飲み忘れると死ぬから、毎朝ちゃんと飲めって。腎生検だってかっこわるいのガマンした。この病気は普通は大人がなる病気なのに、何で私がならなきゃいけなかったの?今日だってなんでこんな目にあわなきゃならないの?ちょっと近道しただけなのに。お父さんはおばあちゃんが死んだ後、一軒家だと物騒だからっていって、お庭があった家を売ってマンションに引っ越したんだよ。お母さんが死んだのが私のせいだからかなあ。私が生まれなければ、お母さん死ななかったんだよ。ずーっと、真面目に生きてきた。うそもつかないようにしていたし、人には優しくしてきた。悪口だって言わないようにしてきた。前とおんなじ健康な体になりたい」マサミは低い押し殺したような声でつぶやく。ヒロイン、マサミを抱きしめる。
ヒロイン「パパはいつも何時頃帰ってくるの?」
マサミ「いろいろだけど、今日はすごく遅いって言ってた」
ヒロイン「マサミちゃん、とにかく病院へ行こう。」
マサミ「えっ、あそこはイヤ。知ってる人がいっぱいいる。クラノスケ先生にも知られたくない」
ヒロイン「マサミちゃん、あたし病院さがしてみるから、出かけるしたくしよう」
ヒロイン、マサミが自室に行ったのを確認して、電話帳で総合病院のページを開き、電話をしている。いくつかに電話をかけるが、産科をやめて婦人科だけになったので産婦人科の医者はこの時間は院内にはいない、と断られる。それでは、と産婦人科のページを開き、「病院」と書いてあるところに電話をかける。私の妹がレイプされてしまった。診てもらえないか、と。

大通りにでてタクシーを拾い、質素な印象のちいさな病院についた。救急外来ではなく、普通の外来を開けての診察である。医者は斉藤暁。同席するのはオバサンナース。
サイトウはコーヒーメーカーでコーヒーをいれてくれた。ちなみにマグカップでセフゾンのゾン太が笑っている。

マサミをナースと共に廊下へ出して、サイトウが警察への届出についてどうするかをヒロインに説明している。「父と相談します」とヒロイン。

マサミとヒロイン、タクシーを降りてコンビニに寄る。お菓子やヨーグルトなどを買い込んで、自宅マンションに向かう。マサミの父親はまだ帰宅していない。ヒロイン「パパが帰ってくるまでいてあげる」マサミ「パパが悲しむから、パパには絶対に言わないで」
午前2時ころ、マサミの父が帰宅する。マサミはすでに寝ていて、ヒロインは居間で雑誌を読んでいる。ヒロインはマサミの父に、自分はマサミの中学高校の先輩であること、今日はマサミが学校のことで悩んで電話をしてきたので、会いにきたこと、ちょっと心配で今までいたこと、を話す。マサミの父は「愛情を注いでいるつもりだけれど、どうしても仕事を優先するようになってしまい、いつもマサミに悪いと思っている」と話す。今日の出来事、警察への届出について切り出せないヒロイン。

ヒロイン、自分のマンションに戻る。しばらく住んでいないので、空気がよどんでいる。窓を開けて換気する。冷蔵庫を開けるが、なにも入っていない。

翌朝早く、病院にもどるヒロイン。
ヒロインの同室者のうち2人が替わっている。ヒロインのほかには、切迫が1人、前置胎盤が2人。
「せっかく○○クリニックで生もうと思ったのに、この病院にまわされちゃったのよね」
「わたしは△△病院のはずだったの。なんとか自力で直して△△病院で産もうかと、ネットにでていたどこかの助産院のページではいはい体操ってのを見て、毎晩やってたけど駄目だったわ。サイアク。△△の先生も、冷たくてさ、死ぬこともあるから総合病院へいってくださいって。本当に駄目なときだけ救急車で運んでくれればいいのにね」
「ふーん。ごはんからしてここじゃね。○○なんて、6週で予約しないと駄目だから、速攻で分娩予約したのに。誰かあたしの代わりにキャンセル待ちの妊婦が入ってたりして」
「ここってさ、センセイだって、朝かよくて夕方、8時頃しか来ないし、部長の方針で、家族への説明は緊急以外土日お断りなんて、ひどくない?」
とえんえんと続く愚痴話。

病室を出て、談話室でコーヒーを飲んでいるヒロイン。となりにテルユキが座る。
ヒロイン小声で「私の部屋の前置胎盤のふたり、うざい。文句ばっかし言ってる」
テルユキ小声で「オレも前置胎盤うざい。でも、病棟を前置胎盤が侵食してきてる。まわりの医者みんな、前置胎盤の帝王切開するのやめて、送りつけてくる。うちさ、研修指定病院っていって、研修医が研修するんだけどさ、フツーの分娩がだんだん少なくなくなってきてちょっと困ってんの。」

医局でクラノスケがコンビニ弁当のようなものを食べている。クラノスケの横に座り、ミネラルウォーターを飲んでいるテルユキ。
「クラノスケ、オレさ、ワンセンセイからさ、今日5時半であがっていい、って言われちゃったよ。あしたさ、あるんだよ。前回帝切前壁付着の全前置胎盤」
クラノスケ「それって、O野病院事件ってやつ?」
テルユキ「ちょっと違うけど、まあ似たようなもんだ。オレの場合、癒着前提よ。5月にさ、ウチの大学で講師が執刀したときに出血量が2万5千でさ、悪いことに外科の肝切の出血と重なっちゃってさ、院内生血さ。なんとか生還させたんだけどさ。2万5千だよ。外科が1万2千であわせて3万7千。院内リスクマネージメント委員会で問題にはなるし、講師はトラウマになっちゃってオペできない人になっちゃうでさ、大変だったんだ。あしたはさ、とりあえず万全の準備はした。頭の中で、いくつのもパターンに分けてシミュレーションした。今日はさ、オレ、5時半で帰っていいって言われてんだ。ちゃんとメシ食って、しっかり睡眠とって、新しいパンツはいてこい、って。もしオレが逮捕されることがあったら、おまえんとこのヨシノちゃんのペンの力で助けてもらうわ。ヨシノちゃんによろしく言っといて」
クラノスケ「犬飼センセイって病院に噛み付いてるよな。犬飼センセイ来てから、産直が超勤になったんだよね。すごいよな」
テルユキ「まあ、ワンセンセイ強気なんだよ。うちさ、不妊でも結構稼いでいるからさ。超強気。“作って産める◎◎総合”がうちのウリだからね」

ヒロイン、公衆電話から電話をしている。「マサミちゃん、ちゃんと学校いけてよかった。今週末に会っておいしいもの食べよう」

ヒロイン、図書室のパソコンで百い巨塔フラッシュを音を絞ってみている。
ヒロイン「ある産婦人科医のユウウツ」を執筆中(ノートパソコンで)である。
(6話終わり)
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by shy1221 | 2007-02-28 06:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
ICU にいるヤンキー娘を見舞いにいくキミコ。NICUにいる孫を見に行くキミコ。マゴはとても小さく、名前はまだない。見舞いの帰りに通用口の脇でタバコをすっているキミコ。

カンファレンスルームで、クラノスケとササノ、血液内科の医者があれこれ相談をしている。キミコのケースはちょっと経過がめずらしいらしい。だらだらと経過するHPSで全身状態は悪くない。特に原因となるウイルスも同定されない。膠原病関連のものかそれとも悪性リンパ腫なのか?シクロスポリンを開始することになった。血液内科の医者は病棟の移動がないのなら、そのままお前が主治医でいろよ、とクラノスケに冷たい。というか、キミコを引き取るのはちょっとイヤだ、という感じ。

ナースルームで内服薬が追加になることをNs.に説明しているクラノスケ。ナースは、ネオーラルという薬品名になんだそりゃ、という反応を示している。そこへ、テルユキが入ってくる。「なんだかだねえ」とつぶやくテルユキ。

ヒロインのもとにマサミがお見舞いに来ている。マサミはどこかの高級チョコレートをお土産にもってきた。キミコが「あたしにはないの?」と訊く。「おばさん糖尿病でしょ。インスリンしてるんでしょ。」とにべもないマサミ。

面談室で、病棟看護師長、ケースワーカー、キミコが面談をしている。ヤンキー娘は未婚で、キミコも妊娠を知らなかったらしい。養育することは難しく、NICUを出たら施設に預ける方向で話が進められている。キミコは小さくなっている。

病室でヒロインにぽつりぽつりと自分語りをするキミコ。ヤンキー娘とマサミは1歳しか違わない。マサミちゃんを見ていると違う世界のようだったとキミコ。

ヒロインは談話室でノートパソコンに向かっている。書いている文章は、「ある産婦人科医のユウウツ」

クラノスケの回診。「ヨシノさん、明日からプレドニンが7錠になります」ガッツポーズをするヒロイン。「キミコさん、なんだか、血糖値が不安定ですね。明日定期のレントゲンね」

面談室で病棟看護師長と面談をしているキミコ。ときどき咳をする。
NICUにいる孫を見ているキミコ。マゴはまだとても小さい。名前が決まったようだ。世露死苦なんてのでなく、結構オーソドックスな名前である。見舞いの帰りにタバコを吸おうとしてやめるキミコ。咳をして喉をさすっている。足取りはゆっくりである。
ICUにいるヤンキー娘。眉毛がないとマヌケな顔である。髪の毛が伸びてプリンになっている。チューブ類はだいぶ少なくなったようだ。テルユキの部下の若い産婦人科医がICUの専任ドクターと話をしている。

病室での昼食。なんか、メニューも飽きてきたわ、とヒロイン。無言で食べているキミコであるが、食欲は進まないようである。キミコ、食事のトレーを廊下に返しに行こうとして、倒れる。駆け寄るヒロイン「誰か来て!」全館コールが鳴り響く。「ハリー先生、ハリー先生、産科病棟でお呼びです」

ICUの専任ドクターが駆けつける。そこへ、クラノスケと血液内科の医師が急いでやってくる。
「カリニかも」と血液内科医。「病室どうしますか?」と早速看護師長。
ICUは満室。血液内科も呼吸器内科も個室はいっぱい。ICUにいるヤンキー娘と交換することが決まる。廊下ですれ違う二人のストレッチャー。お互いに気づかない。
ICUにいるさっきのメンバー。キミコは呼吸器管理開始となった。

産科病棟にもどってきたヤンキー娘。とてもピュアな表情をして、目に涙をためている。
まだ、点滴とフォーリーカテーテルは入ったままである。がらんとした個室。私物はほとんどない。
点滴をぶら下げてICUのキミコを見舞うヤンキー娘。キミコはセデーションがかかっていてヤンキー娘の言葉に反応しない。目に涙をためるヤンキー娘。

ヤンキー娘、4人部屋に移っている。布団を頭からかぶって寝ている。他の患者は床頭台に私物がたくさんあるが、ヤンキー娘は持ち物がほとんどない。他の患者のもとには夫や小さい子供たちが見舞いに来ている。

ヒロインの病室は、ヒロインのほかは全て妊婦となってしまった。切迫が2人、わけあり(不倫妊娠捨てられOL)助産入院が1人。ヒロインのもとにデスクがやってくるが、他はみんな妊婦なのでちょっとぎょっとする。ヒロインとデスク、病室を出て行く。「なんか最近、入院生活がつまんない。クラノスケは忙しいらしくて、顔見ておしまいってかんじだし、同じ部屋の人とも話が合わないし。ここは点滴をしている人が多いから、ケイタイも禁止だし。でもね、ここにいると、産婦人科の現状、っていうのがなんだか実感できるのよ。センセイとは、いつもずーっと病院にいるし、土曜も日曜もいる。体外受精でやっと妊娠できた人もいれば、わけありでいきなりやってきて出産しちゃうひともいる。この間は生み逃げもあったのよ」「生み逃げって?」「明日退院です、って時に勝手に帰っちゃうの。お金払わないで」「そんなことできるんだ?」「できちゃうみたい」

ヒロイン、ICUの前の受付で、キミコのお見舞いに来た、と言うが、受付の事務員に面会はご家族の方のみです、と断られる。

ICU、ナースがキミコの挿管チューブその他を抜いている。キミコ安らかな死に顔。
うつむきながら出てくる、点滴をぶら下げたヤンキー娘。ヒロイン、はっとする。
ICUではカーテンを閉め切ってキミコの死後処置をしている。メークをするナース。死亡診断書を書くクラノスケ。「ゼク取れなかったね、来た身内が未成年1人じゃさ。」と血液内科医。

ケースワーカーと病棟看護師長、ヤンキー娘がなにやら相談をしている。
病棟に戻ってきたクラノスケにヒロイン「キミコさん、死んじゃったの?」クラノスケ無言でうなづく。
点滴がとれ、NICUにいるヤンキー娘。目に涙をためている。

塾の帰り道、電車を降りて近道をすべく公園を突っ切ろうとしているマサミ。男が後ろから襲う。抵抗するマサミ。男が刃物をみせたので、一瞬抵抗をやめてしまうマサミ。マサミの凍った表情。(次回へ続く)
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by shy1221 | 2007-02-27 05:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
病室。エビちゃんがみんなに挨拶をしている。傍らにはいかにも実直な田舎の人といったかんじの両親。「やっぱり田舎に帰ることにしました。うちの近くに転院できればよかったんだけど、うちは田舎なので、膠原病がみてもらえるような病院はなくて、結局大学病院になってしまったの」

隣で、マサミも退院の支度をしている。エビちゃんたち3人と入れ替わりに、マサミの父小木茂光が入ってくる。マサミもあっさりと退院していく。

私たちだけ残っちゃたね、とヒロインとキミコが話していると、そこへクラノスケがやってくる。急な話で悪いが、ベッドコントロールの関係で病棟を替わってもらうことになった、とクラノスケ。

ヒロインとキミコはどうやら産科病棟に移ったらしい。窓際のベッドにはウテメリンの持続点滴をしている妊婦。妊婦のところへ医師がやってきた。医師の顔をみるなり、「アレーっ、真理子ちゃんのお兄ちゃん!」と声をあげるヒロイン。ヒロインの顔をみて、「ヨシノちゃん」という医師は香川照之。どうやら二人は古い知り合いらしい。面白くなさそうな表情のキミコと妊婦たち。

消灯後、談話室でコーヒーを飲んでいるヒロイン。ヒロインの横にテルユキ。お互いの近況報告をする。テルユキの妹とヒロインは中学のときの同級生。テルユキは都内の開業産婦人科医院の長男である。テルユキの弟は地方国立大学に進んでそのままいついてしまい、田舎で産婦人科の1人医長をしている。テルユキの妹はアメリカに留学中。テルユキの父は68歳で今も仕事をしている。ただし、テルユキに後を継がせるつもりはなく、医師の使命だ、といって70まではお産をとるがあとは廃業するつもりでいる。ヒロインはテルユキから、何で病棟を移ることになったかの事情を聞かされる。

もともとこの病棟は産科と婦人科の病棟だった。ただし、産科のおめでたい人と婦人科のがん患者をひとつの病棟でというのは、婦人科の患者心理からよくないと前々から言われ続けていた。昨年から近隣の医院・病院が閉鎖をしたり、重症患者を診なくなったため、産科の入院患者が増えてきた。そのため、婦人科の患者がほかの病棟に押し出されがちになったが、婦人科の入院患者は手術や化学療法のための入院で、手がかかり、かつオバサンはうるさくてかなわん、と他の病棟からは嫌われていた。「でもね、本当は患者さんがわるいんじゃなくて、病気がそんなオバサンをつくちゃったんだよ」とテルユキ。このため、婦人科はまとめて他の病棟に移ってもらい、かわりに、産科におされてわずかに残ったベッドには膠原病の女性患者にはいってもらうことになった。ある程度治療が進んだ膠原病の患者はプレドニンを飲んで病院にいるだけだから、Ns.にとっては手がかからない。産科が増えて病棟の負担もきつくなっているので、膠原病の患者にベッドを埋めてもらえると病棟Ns.も助かる、と。「でもね、クラノスケは大変なんだ」この病院は3人で膠原病と腎臓病を診ていて、しかも透析も担当している。透析は週に3日は二部透析である。さらに悪いことに、クラノスケの後輩の女医さんが切迫になって入院中。でもって、大学も人がいないので応援なしである、と。おまけに平均在院日数のことで、膠原病内科はいつも文句をいわれている。「プレドニン飲むんだから、2 週間で退院できるわけないじゃない」とヒロイン。

二人が話し込んでいると、病棟のNs.がテルユキを呼びにきた。「センセイ、そろそろ」
次の日、クラノスケがキミコのベッドサイドで何か言っている。どうやら、キミコは血球貪食症候群の疑いがあるらしい。(これまでの回で、キミコはちょっと DQNな患者として描かれている。特定疾患だから、入院していればしているほど保険のお金が入ってくる、とか糖尿病なのにお菓子を食べていたりとか)キミコにはHPSについて理解が難しく、クラノスケは「今日、血液内科の先生にみてもらうから」というようなことを言って去っていく。

図書室で、ヒロインはHPSについてインターネットで調べている。そこへ、クラノスケが入ってくる。クラノスケはヒロインには気づかずに、奥へ進む。今日は司書のカウンターは不在である。

ヒロインは病室にもどり、病衣から私服に着替える。手早くメークをする。図書室に戻ると相変わらず司書はいない。職員向けの図書室をのぞくと誰もいない。ヒロインは済ました顔をして、職員用のほうへ入っていく。PubMedや医中誌を調べられるネット接続のパソコンと電子カルテ用のパソコンがある。電子カルテ用はパスワードが必要なので、あきらめ、PubMed用のパソコンの前に座るヒロイン。ふと思い立って「お気に入り」を表示してみる。PubMedや医中誌、e-Medicineなどに混じって、2チャンネルやある産婦人科医のひとりごと、新小児科医のつぶやき、SY’sブログなどがある。「辞めたい」を開くといきなり音がしてびっくりするヒロイン。あわてて、別のサイトを開く。誰か医者が入ってきた。えへへ、と笑ってさりげなく去っていくヒロイン。
ヒロインが病室へ戻ろうとすると、ストレッチャーで運ばれていく妊婦に追い越される。妊婦はいわゆるヤンキーのようだ。ヤンキー娘のストレッチャーにすがるキミコ。
ナースルームでは、テルユキとほかの医師が手術予定表をにらみながら何か話をしている。

予定の帝王切開の予定を落として、ヤンキー娘を先に手術することになったようだ。
ヒロイン、ふたたび図書室患者用コーナー。音量をしぼって「辞めたい」の画面を見ている。

ヤンキー娘はキミコの娘であった。検診を受けていなくて、腹痛で救急車でやってきた。常位胎盤早期剥離であったが、母子ともに助かったようであることがナースルームの職員の会話からわかる。

病室でヒロインはノートパソコンを使って何かの文章を作成している。

喫茶室でヒロインとデスク。デスク「なんかさ、入院したら、だんだん医者の肩もつようになってない?なんか、表現が切れ味悪いよ」

ヒロインとデスクが親しげに話しているのを見かけてしまうクラノスケ。

病室でクラノスケはキミコに血液内科に移ることになったと告げる。が、キミコは娘がICUから戻ってきたときにびっくりしないよう、娘を迎えてあげられるよう、この病棟のままで治療を開始してくれ、と言ってきかない。

ヤンキー娘はICUにいて、いっぱい自動注入器がついている。疲れた顔のテルユキがハルンバッグの尿量を見ている。テルユキがICUの専任ドクターとなにやら話しをしている。
(第4話おわり)
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by shy1221 | 2007-02-27 04:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)


第3話

エビちゃん「昨日のひと、白血病の高校生だったんだって」

ヒロイン「ふーん。かわいそう。あたしもとばっちりで、腎生検の最中に放置されちゃったわ」

マサミは勉強をしている。クラノスケ、病室に入ってくる。

クラノスケ「キミコさん、明日から、プレドニンが19 ミリになります。4ミリ分は粉でくるからまちがえないでね。」キミコ「えっ、1ミリの錠剤じゃないの?」クラノスケ「僕も本当は1ミリの錠剤のほうがいいんだけれど、同じ薬で5ミリと1ミリがあるのは間違えのもとだから、っていって病院が採用してないんですよ。だから、5ミリをわざわざ粉にして調剤してるんです。でも、退院したら院外処方だから、1ミリの錠剤で処方します。」

ヒロイン「粉だとわかりにくくない?」

クラノスケ「僕もそう思います。でも、病院の方針なんです。僕がむかしいた病院では、テオドールって喘息の薬を子供に処方するときに、粉で処方したら、薬局で桁間違えて多くいっちゃって、意識不明になって、新聞沙汰になってしまいました。ああ、患者さん相手に何はなしてるんだろ。」

エビちゃんにお見舞いの初老の女性が来た。「ここではなんだし」とエビちゃんを食堂に誘う。エビちゃん、緊張した面持ちで女性についていく。

食堂で初老の女性が切り出す。「結婚について、お話はなかったことにして欲しい。息子を同じように考えている。」

病室に帰ってきたエビちゃん、泣いている。

マサミは勉強をしている。

エビちゃんはカーテンを閉め切っている。

ナースルームでクラノスケがヒロインにムンテラをしている。プレドニンの初期量は40mgである。クラノスケ「フツーの人なのにこんなに説明がわかってくれる患者さんって、始めてです、僕。それでも理系でどっかに勤めてる人だと結構わかってくれるんだけど、文系の人って、結構思考回路が違うっているか、なんだけど。」ヒロイン「あたし、数学苦手でした。物理赤点でした。悪いか!ところで、エビちゃんがずーっと泣いています。なんか、婚約者のお母様らしい人が来てから様子が変なんです。まさか、婚約破棄じゃないでしょうね。」クラノスケ「あ、本当?」

クラノスケ、エビちゃんのベッドサイドにいる。エビちゃん「先生のせいだ。先生が膠原病だから入院しなさい。妊娠すると流産するかもしれない、なんていうからだ。うぇーん。」

クラノスケ、当惑した顔で言葉に詰まっている。

翌日の回診。クラノスケと上司の笹野高史。ササノはクラノスケの説明をふんふんときくだけである。ただし、キミコのカルテをみて、ちょっとデータが気になる、という。

夕食時、エビちゃんがいない。食事を配りにきたナースはあまり気にしていない。ヒロインは気になる。食事もそこそこに病院内を探す。屋上にエビちゃんはいた。「来ないで」とエビちゃん。「だめ」とヒロイン。ヒロインはゆっくりゆっくり近づいてエビちゃんを確保する。「こないだの高校生、顔がつぶれて遺体きれいじゃなかったって。エビちゃん、美人の顔をぐちゃぐちゃにして、いいことある?」

談話室でヒロインにお礼をいうクラノスケ。いつの間にかヒロインはクラノスケに対しタメグチになっている。クラノスケも打ち解けている。

医局のクラノスケ、ちょっとニコニコしている。文献を読みながら、視線が宙を浮いている。

夜中の屋上。デスクとヒロイン。マサミの話になる。デスクはマサミの父を知っているらしい。マサミが生まれるときにマサミの母は死亡して、おばあちゃんの協力のもとマサミは育ってきたことがわかる。デスクとヒロイン、激しいキスシーン。

(ちなみに事件への伏線はってみました)
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by shy1221 | 2007-02-26 03:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)