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クラシック音楽、小田和正、資格試験、医療記事批判などなど幅広い(節操のない)ブログ


by shy1221
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余裕がなくても人に優しくなれるか。

 他人に優しくするのは、案外難しい。とくに、余裕のないときは尚更である。

 この仕事をしていると、相手は病人なので、優しくしてあげねばならないのは当然なのであるが、自分が忙しくて体力的にいっぱいいっぱいだと、そうもいかないのは、私が未熟だからだろう。ちょっとした優しさ、問いに優しく答えるとか、軽く励ましの言葉を与えるとか、わずかな微笑みとか、そういったことも、疲労のせいで奪い去られてしまう。産まれた瞬間に、「おめでとう」という声かけさえ出来なくなった時、この勤務状態から早く抜け出そうと心に誓ったものである。

 最近の私は、多少余裕はある。患者に対する優しさも復活したようだ。下世話な言い方をすれば、サービス精神が旺盛になった。私に対して風当たりの強い態度、優しくない言葉をかけてくる周囲の人々を見ると、やはり余裕が必要なのだな、と心から思う。誰かに優しくするには、やっぱり余裕が必要。少なくとも並の人には。

 ただ、どんなに自分が追い詰められていても、他人に優しい人は存在する。以前に勤めていた病院の先輩。女医さんだったが、部長その他上司からたくさんの仕事を押し付けられて、疲労困憊の状態だったはずなのに、患者への優しさは変わることがなかった。あんなに、よく出来た先生は、他では全く見ない。今でも尊敬する先生の一人である。

 余裕がなくても、他人に優しくありたい、というのは、理想論かな。人間としてのキャパシティを上げていくことで、余裕を生み出す、というのが、正攻法かもしれない。件の尊敬する先生も、実はキャパシティがムチャクチャ大きな人だったのかもしれない。どうやってトシを重ねれば、キャパシティが増えていくのだろうか、と、考えたい。
by shy1221 | 2005-06-19 08:27 | 思うこと