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クラシック音楽、小田和正、資格試験、医療記事批判などなど幅広い(節操のない)ブログ


by shy1221
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2007年 03月 04日 ( 2 )

クラノスケ、ササノ、ICU専任ドクター、マサミの父。
ナースステーションでマサミの父に経過説明をしている。ササノがクラノスケのわき腹をつつく。クラノスケ「ボクはマサミさんの経過に納得しきれていない部分もあります。マサミさんの病気は若い女性としては結構珍しいです。今後の同じような病気や同じような病態の患者さんのためにも、マサミさんの病理解剖をお願いできないでしょうか」マサミの父、わかりました、とうなずく。

病理解剖室。ガウンを着ているのは病理医とクラノスケ、ササノの3人。少し黄色みをおびて硬く光るマサミの肌。

透析室で、電子カルテの画面に向かっているクラノスケ。ピッチが鳴る。「センセイ、そろそろお見送りです」
霊安室のドアが開き、葬儀社の社員が入ってくる。マサミの遺体が葬儀社の車に載せられる。マサミの父「本当にありがとうございました」
葬儀社の車が走り出す。車が角を曲がるまで、クラノスケ、ICUの医師、マサミが入院していた内科病棟の看護師長、ICUのナースが深々と頭を下げている。
一同解散。看護師長は涙をためている。クラノスケの目にも涙が浮かんでいる。「なんやかんや言いながら、センセイ、マサミちゃんのこと、いつも気にしていたもんね」

編集部。デスク「“検証 妊婦はなぜ18病院から断られたのか”は反響すごいね。だまっていてもヨシノくんの読者が情報を提供してくれるよ。あちらさんの記事の主張をひとつひとつ論理的につぶしていく、快感だね」
ヒロイン「でも、そろそろ私も重くなってきた。“ある産科医の死”、そろそろ書かせてよ。うーん、テルユキセンセイが死んだ日のこと、その前の日の手術の前の様子のこと、某巨大掲示板に誰かが詳細に書きこんでいたのは、すごいショックだった。これ書いていったん終わりにして、じゃあ次は財務省シリーズとかすればいいじゃない。なんだかつらくて」
デスク「そーお?僕としてはさ、もう少しがんばってもらって、3月になら許可かな。3月にぶつけよう。この春には全国の産科・小児科がどんどん終わりになるようじゃないか。産科医も死んだし、産科医療も死んだ。願わくは花の下にて春死なん その如月の望月の頃、と」
ヒロイン「デスク、勝手なんだから」とため息。
ヒロインの携帯が鳴る。ヒロイン、廊下に出る。マサミが亡くなった。マサミは少しかたくななところがあって友達が少なくて心配していた。マサミはヨシノさんをとても慕っていたようだ。お通夜が明日で葬式が明後日。身内だけで行うけれど、来ていただけないか、とマサミの父の声。

お通夜。何人かの制服姿の女子高校生。シスター穂刈。そしてヒロイン。
テルユキのお通夜とは対照的なささやかなお通夜。ちょっと迷ったけれど、お通夜ふるまいの席には出ずにそっと帰ってくるヒロイン。

産科病棟。クラノスケが回診をしている。
クラノスケ外来の前。今日も診察は遅れているようだ。やっとヒロインが呼ばれた。
ヒロイン「マサミちゃん、どうして亡くなったの」とクラノスケを少し責める口調
クラノスケ「守秘義務」
ヒロイン「マサミちゃん、クラノスケ先生のようなお医者になりたい、勉強して群馬大学に入るって言ってたのよ。キミコさんも死んじゃう。テルユキ先生も死んじゃう。マサミちゃんも死んじゃう。あたし、気が狂いそうだわ」
クラノスケ、無言で電子カルテ画面をみている。

ヒロイン、マサミと一緒に移っている携帯の写真を見ている。マサミちゃん、わたしはどうしてあげればよかったの?あのあと、私には助けを求めてくれなかったじゃない。どうして、いっちゃったの?ヒロインは泣く。

医局。産婦人科部長とササノがコーヒーを飲みながら話をしている。
部長「テルユキくんの親父さんがすっかり気落ちしていてね、もうお産をやめることになった。こんなご時勢だし、もともと後を継がせる気はなくて廃業の準備は内々にはじめていたんだが。助産婦もパートをいれて4人だったし、H病院の件もあったし、予定より早くやめることになった。5月末までは自分のところで分娩を扱うけど、それより先は僕のところと○○センセイのところ、××病院で面倒みることになった。テルユキくんの親父さんのところは基本的にローリスクだけだったけど、それでもあの年で年に180例みてらしたから、結構痛いよ。」
ササノ「弟さんも後を継がないのか」
部長「ヒトリくんも県立病院の1人医長でそれはひどい生活をしているらしくて、これを機会に春にこっちに戻ってとりあえず大学(の医局に)にきたらどうか、と親父さんは考えてるらしい。まあ、ヒトリくんが抜けたりすれば、あっちの大学には痛手だろうけどね。ヒトリくんの大学は今年は入局者が2人だったそうで、週末の代診も月1回なのだそうだ。ひどい話だ。ウチの上のも、ヒトリくんの大学の5年だろ、卒業したらさっさと帰ってこいってきつく言ってあるよ」
そこへ副院長が入ってくる。「ササノ先生、あとでちょっと」

院長室。院長のほか副院長、看護部長、事務長らしき面々。
「きみのところで亡くなった高校生の親が○○法律事務所を通じて、カルテ保全の申し立てをした」
ササノ、無言。
by shy1221 | 2007-03-04 09:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)
第8話
ヒロインの同室者に入れ替わりがあり、ヒロインと同じSLEの若い女、32歳の子宮外妊娠術後の3人となっている。珍しく1ベッド空いている。32歳術後は、妊婦と同室でなくてほっとした、と話した。術後患者が自分語りをする。結婚したけど、なかなか妊娠しなかったので、不妊治療を始めた。この病院は妊娠率は必ずしも高くないが、双子、三つ子をなるべくつくらないようにしていると知人のナースからきいたこと、不妊治療から出産までおなじ病院に通院できること、もし早産になってもNICUがあること、から費用は高いし、待ち時間は長いし、ナースはつっけんどんだし、医者は冷たいことばかり言う、というママ評判を振り切って、子供のためにこの病院を選んだ。治療をはじめてもなかなか妊娠しなくて、半年ほど治療を休んだら自然妊娠した。計算すると、韓国に遊びに行ったときにできたみたいなので、10万円かからずに妊娠できたことになる。これまでにかかった多大な金額に比べると笑っちゃう。なのに、子宮外妊娠で胎児は死んでしまった。手術室から帰ってきた後、カンゴフさんとても優しかった、体力つけて、またがんばるわ、とちょっと寂しそうに笑う。SLEの若い女は、流産がきっかけで膠原病が発見されたことを話した。ヒロインは「あたしにはそれ以前に妊娠させてくれるひとがいるのかしら」とひとり毒づく。妊婦と同室のときよりもヒロインはリラックスできている。
クラノスケが病室に入ってくる。「ヨシノさん、いよいよ明日で卒業ですね。昔だったらもう少し減量するまで病院にいてもらってたんだけど。やっと30ミリですから、映画館とかまだ駄目ですからね。あとで、ナースルームで説明します」
ナースルームでクラノスケとヒロイン。退院時指導計画書その他の書類にサインするヒロイン。プレドニンを飲んでいる間は副腎がホルモンを作らなくなっているのでプレドニンを続けて何日か飲み忘れると急性副腎不全になって死ぬことがある。紫外線は駄目だ。お酒は駄目だ。人ごみの中に出てはいけない。誰かの結核がうつるかもしれない。息切れがしたらカリニ肺炎かもしれない。カリニ肺炎になったら結構な確率で死ぬことがある。帯状疱疹にかかり易くなっているので気をつけろ。プレドニンを飲んでいる人の帯状疱疹は痛くないから発見が遅れて重症になる。まだ絶対に妊娠してはいけない、などなど。ヒロインははいはいはいはい、と返事をする。本当は、免疫力が落ちているから、もう少し入院している方がいい。でも、いま病院のベッドが足りなくて、入院待ちも結構出ているので、自己管理ができそうな人は、結構多い量で退院してもらっている。おまけに、平均在院日数っていって、こういう総合病院では平均2週間で退院させないといけないきまりになっている。病院によっては35mgで退院させるところもあるけど、ここはもう少し長く入院してもらっている。ヨシノさんのことは信用しているから、30mgで退院にする。信用していなければ、20mgくらいまで入院を継続している。信用しているから、自己管理をちゃんとしてね。とクラノスケの説明はくどい。

退院日。ヒロインを迎えにくる人はいない。1人でキャリーケースを転がして退院していく。
ヒロインのマンション。冷蔵庫を開けるが、何も入っていない。

JJ学院の近くのスタバかなにか。ヒロインが待っているところにマサミ。お茶を飲んだらランチを食べに行こう、今日はおごりだからご馳走を食べよう、とヒロイン。
イタリアンレストラン。女同士とカップルが半々くらい。
年の差があるカップルがヒロインとマサミの横を通り奥へ入っていった。「あのふたり、不倫っぽい」と小声でマサミ。ヒロインはちょっとドキっとするが「もと不倫でいまは夫婦かも」と言ってにやっと笑う。マサミも笑う。ヒロインは「クラノスケには内緒だよ」とグラスシャンパンを頼んだ。マサミ「ヨシノさん、いいの?」と笑う。「今日だけ。だって、2ヶ月禁酒してたのよ。今日だけ。自分へのご褒美」
パスタを食べながら、マサミ「私、1年くらい浪人してもいいから、医学部に行こうかなって最近考えてる」
ヒロイン「えっ、それ大変じゃない?ウチの学校、理科系駄目じゃないの?」
マサミ「最近はそうでもないよ。毎年10人以上は医学部行ってるよ。国立だって、群馬とか信州とか福島とかだったら、毎年何人か行ってるよ。去年は宮崎まで行った人がいるよ。クラノスケ先生、群馬大学だよね。あたしも、そういうのもいいかなって」
ヒロイン「東京はなれて、群馬とか田舎の大学に行くの?」
マサミ「6年間の合宿免許だと思えばいいんだよ。それにね、考えたの。私もいつかパパから離れていくときが来る。そのときにショックを与えないように、合法的にパパから離れる方法。私の頭じゃ東大や慶応の医学部なんてムリ。女子医大の指定校推薦があるけど、パパのお給料じゃムリ。それ以前に条件がムリ。パパが粘り強く学校と交渉してレポートで出席に替えさせてぎりぎり進級ラインなんだもの。でもね、今からがんばれば、どこか地方の国立大学だったら、何とかなるかも。だから、高校を卒業したら、どこか地方の大学に入って、家を離れてみようと思うの。私が絶対に医学部に行きたいって言えば、パパは駄目って言わないと思うの。東京にいる限り私が入れる医学部はないわけだし。6年たったら帰ってくるから、って言うの。6年の間にパパは私のいない生活を少しずつはじめるの。」
マサミ、デザートをおいしそうに食べる。
ヒロイン、マサミの表情をみて、少しほっとしている。人がよさそうなヒトリの姿が、一瞬ヒロインの脳裏をよぎる。

病院の外来。制服姿のマサミがクラノスケ外来の窓口にやってくる。
待合のいすに座り、文庫本を取り出して読んでいる。ときどき腕時計を見る。予約時間より遅れているようだ。神経質そうな患者が窓口の事務員にどのくらい遅れているのか、あとどのくらい待てばいいのか、と詰め寄っている。事務員は「クラノスケ先生は診察がていねいだから、どうしても時間より遅れちゃうんですよ、すみませんね」と口先だけであやまる。
マサミが呼ばれる。
2週間前のデータがちょっと気になる、とクラノスケ。これから血液検査にいって1時間くらいで結果が出たら診察にしたいけど、時間あるかなあ、と。マサミ、うなずく。
中央検査室で採血されるマサミ。尿検査のカップを窓口に差し出すマサミ。
ふたたび、クラノスケ外来の前の待合のいすに座り、文庫本を読んでいるマサミ。
ちょっと活動性があるようなので、今週中にお父さんと来てもらえないか、とクラノスケ。
マサミ、わかりました。と診察室を出て行く。表情に乏しい。
衣類かごの中にマサミが忘れていった文庫本がある。クラノスケは文庫本の忘れ物に気づかない。

医局のクラノスケの机。きれいに整理整頓されている。マサミが忘れていった文庫本が置かれている。書店のカバーがかかっていて、何の本であるのかはわからない。

雑誌編集部。ヒロインが職場に復帰している。
デスク「“ある産婦人科医のユウウツ、”評判いいよ。結構医者が感想や意見をメールしてくる。共感できるって。現場のナマの声が集まってきてるから、ほかの特集でもいろいろ使えるぞ。最近、毎朝が医者叩きキャンペーンやってるって、医者からの評判がめちゃめちゃ悪いけど、アッパーなサラリーマンや官僚からも結構嫌われている。彼らは無知な大衆とちがって身近に医者がいたりする。海外生活を経験したことのある人々は、日本の医療制度がどんなに良いものかを身をもって感じている。そういう読者を取り込むには、チャンスだよ。医者叩きをしても、ついてくるのは、み*も**のテレビしか見ていない、ケイタイしかもっていない人々だけだ。お金を出して雑誌を買おうなんて思わない人々だけだ。お金を出して情報を買おうとする層を相手にしなければ、これからの活字メディアは生き残れない」と演説。

夜、パジャマ姿のマサミ、自室のベッドの中で声を立てずに泣いている。
マサミ、授業中の教室。板所をノートに取っているが、時々考え込んでいる。

夜、パジャマ姿のマサミ、自室のベッドの中で、すすり泣いている。
翌日、登校するが、教室の入り口で、ちょっと考え込み、教室に入るのをやめる。
「センセイ、ちょっと頭が痛くて、保健室で寝ていていいですか?」
やさしそうな養護教諭。病気なんだから、無理しちゃいけないわよ、とベッドのほうを指差す。マサミ、保健室のベッドの中にいる。

夜、パジャマ姿のマサミ、自室のベッドの中ですすり泣いている。泣くのをやめてベッドに座り、かばんから携帯を出す。通話記録を消している。机の引き出しを順に開けて、中を確認している。机の引き出しから鏡を出し、机の上に置く。鏡に向かってにっこり笑う。

マサミ、保健室のドアを開ける。「センセイ、今日もいいですか?」
養護教諭が机に向かい、何か書きものをしている。
「マサミちゃん、センセイ、ちょっと図書室に行って来るね」
マサミは布団をすっぽりかぶって寝ている。

養護教諭が戻ってきた。マサミちゃん、お昼どうするの?とマサミのベッドのほうへ向かう。マサミは胃液のようなものを繰り返し吐いている。意識状態がおかしい。
救急車のサイレン。

救急外来。ER着を着た医師、ナースが行きかう。
呼ばれてやってきたらしいクラノスケ。
電子カルテ用のパソコンの前にいるER着の医師。ものすごい勢いで画面のスクロール中。
「ねえ、なにかヘンな薬のんでないよね」とER着の医師。「いま、原疾患がどんな状態か、プレゼンして。電カルになってから、わかりづらくて困るよ」
「うーんとね、」とクラノスケのプレゼン。
クラノスケ「几帳面な子だから、まさかとは思うけど、ウィズドロワルの可能性は?」
ER着の医師「なに、それ?」
クラノスケ「あ、ステロイドずーっと飲んでてやめちゃって副腎不全になるやつ」
ER着の医師「考えてもいいね。あと薬なにかない?」
クラノスケ「向精神薬とかその類は別に処方してない」
別の救急患者が搬送されてくる。救急外来は喧騒に包まれている。
クラノスケ「あっ、喘息ってことで、うちに来る前にテオドール飲んでた時期がある」
マサミを乗せたストレッチャーがICUに入っていく。
マサミにはたくさんのシリンジポンプがつながっている。

「たぶん、メインの病態は、テオドール大量とステロイドの中断でも説明がつく。そして原疾の再燃かもしれないが、これは僕たちにはわからない」とICU専任医師。電子カルテに映し出される頭部CT。
クラノスケとササノが電子カルテの画面を見ている。
マサミ、血液透析をしているようだ。
クラノスケ、慣れた手つきで機械の調節をしている。

医局でクラノスケがカップヌードルを食べている。
医局で自分のノートパソコンでPubMedの検索をしているクラノスケ。
医局のソファで横になるクラノスケ。眠っている。
朝、医局の洗面台で歯を磨いているクラノスケ。寝癖がついている。
クラノスケのピッチが鳴る。

ICUでマサミがICU専任医師から心臓マッサージを受けている。
心マの手をやめると波形が出なくなる。
ベッドサイドにはマサミの父がいる。取り乱している。
(第9話に続く)
by shy1221 | 2007-03-04 08:00 | TV、ドラマ、映画(冬ソナ以外)